(前略)......特別会員になってしまった。毎月送られてくる「藝林月報」をしげしげと見る。今時、あんな手書きの文章に写真を貼り付けた会報があるか。あれがいいというファンがいると聞いた。なるほどアナログの良さが滲んでいる。CDの便利さでなく、昔の蓄音機でクラシックを聴きたい人向きである。内容は何を読んでも語っても「館長梅野の世界」なのだ。
一人の美を追究した男が藝林月報二百号を継続発行し、風光明媚な記念館まで造らせた。凄まじい意志の強さにこそ脱帽するが、一方、ここまで自分勝手に生きられたらと羨望するのだ。
この不況のご時世、年間自殺者は三万人を越えるという。試しに悩む人を連れてきて館長に会わせるとよい。人生って、こんなに奔放に生きてもよかったんだと気づくであろう。やりたいことをやって生きていていいんだと思うであろう。.......
(後略)